amyloneの雑感

あみろんが雑感を投稿します。

2NR概論(2) 2NRの役割

この文章を読んでいるということは2NRでスピーチする人間か、2NRについて知りたいという人間だとは思うが、そもそも2NRというパートは何をしなければならないパートなのだろうか。そこから考えていきたい。


A.否定側から見た2NR
否定側から見るとなると、当然否定側の最終パートであるという意味合いが強くなる。最終パートということは、2NRのスピーチが否定側の最後の主張となるわけだから、この2NRの印象が否定側の印象として強く残ることになる。そうなった時に、否定側のDMの総合的な評価は、受け取り方の違いはあれど2NRのスピーチに寄りがちである。(Sさんなど2反のガイドを丸無視して評価するジャッジもいるので一概には言えないが。)
そこで、2NRのスピーチの中に、各議論の決着点とその評価を必ず盛り込まなければならない。逆に考えれば、議論の決着点を考えて立論、質疑、1反を構成していくことも、2NRの役割と言えるだろう。具体的には後述する。
B.試合進行上の2NR
さて、非常に残念ではあるが、中高生のディベートでは2NRがエンドスピーカーではない。2ARがいるのだ。これが非常に厄介である。
つまるところ、自分のスピーチの後に2ARが議論をひっくり返す可能性を秘めているということだ。そこで、2NRは2ARの再反駁、再評価、ストーリー構築を念頭においてスピーチせねばならない。方法論は具体的に後述する。誠に不本意ではあるが、「2ARに入れる筋があるので2ARに入れた」などと宣う「本当にDMとM比較したのかお前」と悪態をつきたくなるような理由で肯定側に投票するジャッジがいる。彼らに自由にさせないために、議論の評価等を通じて比較しておくことが必要である。
また、これは第2反駁両者に言えることだが、ジャッジに説明責任があることを念頭におくべきである。どういうことかというと、ジャッジは投票を行う際に「なぜそのサイドに投票したか」を説明できなければならない。そのため、試合中でぶつかった/明示的にされていない点に関してはジャッジに委ねられるものの、スピーチ中で決着のついたと宣言された箇所については勝手な“第3反駁”を加えて適当な判定をすることは許されていない。(一部第3反駁をかます地方ジャッジがいるが、彼らを気にしても仕方のないことなので割愛する。)よって、このジャッジの投票を拘束するために、重要論点に対して「誰がどう見ても否定側の主張を取るべきである」と論じることが必要である。
C.時間
中学・高校フォーマット共にであるが、1ARと2NRの時間が絶望的に少ない。であるから、当然試合中の論点に全て触れることは不可能であるし、上記の役割を全て果たすことは困難である。
よって2NRを行う人間がすることは、スピーチの取捨選択である。何を論じておけば最低限2AR、ひいてはジャッジを自由にさせないかを考える。これは試合を追うごとに掴んで行くものだが、この順番に関して僕の私見があるので、それに関しては後述する。